自然の秘話 進化の生き証人 オキナエビス1

一〇〇年ほど前のことである。相模湾に面した東京大学臨海実験所に、熊さん(青木熊吉氏)という名採集人がいた。

当時の東大教授を通じて大英博物館からオキナエビスの仲間の採集を依頼された熊さんは、数か月かけて、やっと生きた一個体を採集し、東京へ駆けつけた。

教授は褒美として熊さんに三〇円(当時の東京市内の一戸建の家賃が月に約四〇銭)を与えた。

熊さんは「長者になった」と大喜びし、「名前はどうするか」と聞く教授に「長者貝はどうか」と答えた。

以来、今でもオキナエビスはチョウジャガイの別名でも知られている。

オキナエビスの仲間は、今から五億年以上も昔の古生代カンブリア紀に出現した。

そして、古生代から、恐竜の時代、中生代にかけて大繁栄をした。