2010年5月アーカイブ

ウミユリは深海の岩の上に付着して生活し、その姿はまさに海のなかに咲いた百合の花のようである。

色も形も鶏の脚にそっくりな茎をピンと伸ばし、クラウンという花のような部分を傘のように大きく広げ、プランクトンや有機物を漉し取って食べている。

ときには魚などに襲われることもあるが、そのときはトカゲのシッポのように枝やクラウンの、部を自切する。

とはいっても心配無用、自切した部分は何度でも再生することができるのである。

ウミユリの仲間は、今から五億年ほど昔の古生代オルドビス紀に出現した。

自切と再生という作戦をもったウミユリ類は、弱肉強食の海のなかでも、その形をほとんど変えることなく生き続けていくことができたのであろう。


科学技術と開発は地球上のいたるところで、多くの動植物を絶滅に追い込んできた。

しかし、生きている化石が、これからも生きている化石であり続けるよう願いたい。

シーラカンス(正式な呼び名はラティメリア・カルムナエ)、オウムガイ、カブトガニ、オキナエビス、メタセコイア。
これらはすべて有名な、生きている化石である。

生きている化石とは、長い時代にわたって形をほとんど変えずに生き続けてきた生きもののことである。
相模湾はオキナエビスやトリノアシといった、生きている化石の生息地としても有名である。

「トリノアシ」を知っているだろうか?
中華料理に使われる「鶏の足」のことではない。
深海にすむウミユリの仲間で、名前は「百合」でも、れっきとした動物のウニやヒトデとともに棘皮動物の一員である。

名前もユニークなら姿・形も、生活様式もユニークである。