自然の秘話 深くて大きかった相模湾2

この湾の様子は足柄山地をつくる地層の足柄層群のなかに化石として残されている。

この湾は、はじめは非常に深く、現在の山北町谷峨付近でさえも水深一〇〇〇メートル以上に達していた。

谷峨付近に分布する泥岩には、ケショウシラトリガイ、キヌブクロガイ、ソデガイの仲間、キララガイの仲間など、現在の相模湾では水深数百メートルよりも深い深海にすむ貝類が化石として含まれている。

この泥岩層の上には足柄層群を特徴づける厚い礫岩層が重なっている。
この礫岩層には、ハマグリ、アサリ、カガミガイなど内湾にすむ貝類、さらに浅い入江にすむマガキのカキ礁の化石が数十メートル以上の長さにわたって発達している。

これは、丹沢の麓まで達していた最初の深い相模湾が、丹沢から押し出される多量の礫や砂によって急速に埋め立てられて、遠浅の内湾に変わっていったことを示している。